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3DCG Blenderで実寸モデリング

3DCGのBlenderを使って、実寸(原寸)のサイズでモデリングをしていく設定やTipsの紹介をしていきます。プロダクトデザインや3Dプリント用のデータ作成にはかなり良いと思います。

3DCAD使いが解説するBlenderのブーリアンについて

Blenderブーリアンはなかなか秀逸な仕様で、使いこなせるようになると3DCADよりも使い勝手が良いです。

しかしBlenderブーリアンを理解するには、まずモディファイアという機能について理解を深めなければいけません。

この記事では軽くモディファイアの解説をして、それからブーリアンについて解説していきます。

(今回画像数も多いため、とても長い記事になってしまいました。)

1.モディファイアとは

まずモディファイアとは一体なんなのかについて、以下の引用を見てみましょう

モディファイアとは非破壊的にオブジェクトに作用する自動処理です。モディファイアを使うと、手作業で行うには面倒な効果(たとえばsubdivision surfaces)を自動的に施してくれます。しかも、オブジェクトそのものを元から変更してしまうことはありません。モディファイアはオブジェクトがどう表示されるか、どうレンダリングされるかということを変えるものですが、実際にオブジェクトの構造を変えるわけではないのです。モディファイアは1つのオブジェクトにいくつも付加してモディファイアスタックとすることもできますし、モディファイアの効果を永久的に定着させたい場合はApply(適用)することもできます。

https://wiki.blenderaaa.org/index.php/Doc:JA/2.6/Manual/Modifiers

 簡単にまとめると、元のオブジェクトの構造に手を加えずに、後付けで効果を足す機能がモディファイアです。

例えばポリゴンを滑らかにさせる再分割曲面(サブディビジョンサーフェス)というモディファイアを使うと、カクカクのポリゴンが滑らかになります。しかし、元のオブジェクトのポリゴン構造は変わりません。

Blenderブーリアンを行う場合は、このモディファイアという機能を使う必要があります。

 

2.サンプルでモディファイアの仕様を確認

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モディファイアを理解するために、実際のデータを見ながら解説していきます。今回はアクセサリーのデータを例に挙げます。

このデータでは、Circle001という名前のオブジェクトに対して、様々なモディファイアが追加されていることがわかります。(画面右側のパネルに追加されたモディファイアが並んでいます。)

ちなみに、追加されているモディファイアは再分割曲面とブーリアンの2種類のみです。これらのモディファイアを追加し、複数のオブジェクトをくっつけてひとつのオブジェクトにしています。

アクセサリーのデータ全体で見ると解説する箇所が増えすぎてしまって大変なので、装飾の一部分だけを取り上げてモディファイアがどのように使われているのかを見ていきましょう。

 

例:装飾の一部

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このオブジェクトは本来3つのモディファイアが追加されているのですが、それらをすべて非表示にしているのが上の画像です。

カクカクで真ん中より右側しか作っていないポリゴンです。

 

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ミラーモディファイアを表示した状態です。

先ほど、右側しかなかったポリゴンが左側に鏡面コピーされました。

左右対称のオブジェクトを作る場合は、ミラーモディファイアを使うと効率的です。

 

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ミラーモディファイアの次に、再分割曲面モディファイアを追加・表示している状態です。

左右対称で滑らかな曲面を持ったオブジェクトになっています。

 

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そして、配列複製モディファイアという、一定数コピーするモディファイアを追加・表示している状態です。

元々は右側しか作っていないオブジェクトが、3つのモディファイアを追加することで、左右対称で滑らかな曲面を持った計3つのオブジェクトとなっています。

 

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このオブジェクトはモディファイアを追加されているだけで、元々のポリゴン構造はそのままなので、編集する場合は最初の右側だけのカクカクポリゴンを扱うことになります。そして、元のポリゴンを編集すると、すべてのモディファイアの結果に即時反映されます。

 

3.ブーリアンモディファイアを使ってみよう

では、モディファイアの解説を終えたところで早速ブーリアンについて簡単な例を見ながら解説していきます。

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ブーリアン解説のために用意したオブジェクトです。シンプルに球とキューブの2つを用意しました。キューブから、球と交差している領域を削除する工程を見ていきましょう。

 

キューブと球をブーリアン

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今回は削られる側になるキューブにモディファイアを追加していきます。

キューブを選択して、モディファイア追加からブーリアンを選択します。

 

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ブーリアンモディファイアは追加しただけでは、なんの意味もないので、2つ設定しておきましょう。

まず演算は3種類(統合、差分、交差)あるのですが、今回は差分を選びます。

次にブーリアン対象のオブジェクトを選択するため、スポイトをクリックし、対象となるオブジェクトをキャンバス内から選択します。

(スポイトではなく、名前から探してもいいですが、オブジェクト数が増えてくると探すのに手間取りますので、スポイトがおすすめ)

 

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ブーリアン対象のオブジェクトを選択すると、これでブーリアンモディファイアの操作完了です。しかし、見た目の変化が全くわかりません。

Blenderブーリアンは、3DCADと異なり、ブーリアン対象にしたオブジェクトが削除されずにそのまま残ります。

 

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そこで、球オブジェクトを非表示にしましょう。すると、きちんとブーリアン演算の結果、キューブから球の形が削除されていることを確認できます。

 

ブーリアン対象のオブジェクトを編集すると…

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Blenderブーリアンの面白いところは、ブーリアン対象のオブジェクトが削除されないこともありますが、そのオブジェクトを動かしたりなどの編集を加えると、ブーリアン結果にすぐ反映されるところです。

例えば、球の位置を移動させてそれを非表示にすると…

 

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ちゃんと移動した先の領域が削られるようにブーリアン演算されます。

 

元になっているキューブを編集すると…

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一見、ブーリアンによって削られているようにみえるキューブを編集すると、元々のポリゴン構造になります。これは「1.モディファイアとは」でも触れましたが、モディファイアは元々のオブジェクトの構造に手を加えずに効果を後付けします。ですから、キューブを編集しようとすると、モディファイア追加以前の状態を編集することになります。

これ、めんどくさい仕様だな…とお思いの方もいると思いますが、慣れるとこれがかなりメリットのあることだということがわかります。

 

モディファイアの適用

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ちなみに、ブーリアン後の構造を編集したいという場合は、モディファイアを適用する手もあります。

追加されたモディファイアは適用ボタンを押すことで、適用することができます。適用すると、元々のオブジェクト構造に手を加えることになりますので、使う時は注意が必要です。

 

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モディファイア適用後のキューブを編集すると、ブーリアン後の構造を編集することができるようになります。

3DCAD使いからすると、ブーリアンして、その後の構造を編集することが自然なことのように思えますが、これにはなかなか無視できないデメリットがあります。

 

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一度モディファイアを適用してしまうと、ブーリアン対象にしたオブジェクトとのリンクが外れて、球を動かしても全く反映されなくなります。

モディファイアは可逆的な使い方ができますが、適用すると不可逆的に作用してしまうということです。

3DCADでは、ほとんどの操作では履歴が残りますので、ブーリアン前の状態を編集することができますが、Blenderの場合は、モディファイアを適用してしまうと前の状態に戻って編集といったことが一切できなくなります。なので、基本的にはモディファイアは追加するだけで、適用せざるをえない状況になるまでは適用しません。これはすべてのモディファイアに共通することです。

 

以上、ブーリアンモディファイアについてでした。わたしはメインが3DCAD(RhinocerosやSolidworks)なのでその視点からBlenderの機能について触れてみました。

 

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